いつもお世話になっております。
沖縄で中古物件+リノベーションを扱っている株式会社イエカリヤの西島です。
今年は新型コロナウイルスに水害と、まさしく国難です。
これ以上の被害が出ないことを願うばかりです。
さて、災害後に必ずでるものとえば「災害ごみ」です。
そこで本日のテーマはこちら。
【資源ごみの所有権について】
出したごみをあさられるのは誰でも嫌だと思います。
でも、ごみはいつまで所有権があるのでしょうか。
基本的には捨てた時点で、所有権放棄
結論からいうと、ごみは捨てられた時点で所有権は放棄したとみなされます。
所有権のない動産と原始取得
物(権利)の取得は引き継ぐ「承継取得」と「原始取得」に分かれます。
不動産の売買で得る所有権は承継取得です。
ごみを拾うという行為は所有権のない動産の取得の為、原始取得に該当します。
【民法】第 239 条第1項(無主物の帰属)
所有者のない動産は,所有の意思をもって占有することによって,その所有権を取得する。
資源廃棄物は別問題
度たびリサイクル資源ごみの回収は所有権がどうなるのかと裁判に発展しています。
平成 20 年 1 月 10 日東京高裁判決(世田谷区清掃・リサイクル条例違反事件)
区民が,古紙等の資源を収集日に資源・ごみ集積所に排出するのは,これを再生利用の目的となる有価物のものとして,区の収集,回収によるリサイクル事業に委ねるためであるから,区又はその委託を受けた収集運搬業者が資源・ごみ集積所からこれを収集してその占有下に収めるまでは,一般に,区民は,なお継続してこれを所有占有しているものとみるべきである。したがって,区民が古紙等の資源を資源・ごみ集積所に置いた時点で一般にこれが無主物になるとの理解に立っての弁護人の立論が採用できないことは明らかである(なお,本件各規定は,既に述べた目的のために,資源・ごみ集積所に置かれた古紙等の資源の持ち去り行為を規制しているだけであって,持ち去り行為による古紙等の資源の所有権の帰趨等について何も定めていないのであるから,本件各規定が所有権に関する法秩序に反するなどとはもともということができない。)。
うーん、資源ごみの日にまとめて収集車に持っていってもらうようにしている空き缶を、勝手に拾ってリサイクル工場に持っていくのはダメな行為なんですね。
正直、捨てる気持ちで出しているので、そっくりそのまま持って行ってもらえれば構わないという方もいらっしゃるとは思いますが、と思ったらやっぱりこういった判決文も有りました。
平成 19 年 12 月 13 日東京高裁判決(世田谷区清掃・リサイクル条例違反事件)
区民が集積日に集積所へ排出した古紙や缶等の資源廃棄物については,区が回収することを前提に集積されるもので,区民が集積所に排出したからといって所有の意思を放棄したものではなく,むしろほとんどの場合は,区によって回収されるまでは区民によって所有・占有されており,区が回収することによってその所有権や占有権が区に移転,承継されるものと考えるのが相当である。したがって,集積所の資源廃棄物は,一般的には無主物ではないというべきである。もっとも,すべての区民の意思を推し量るのは困難であり,区民の中には,古紙等を集積所に排出した時点で,所有の意思を放棄したとみるのが相当な場合も考えられないわけではない。その場合には,その資源廃棄物は民法上の無主物といわざるを得ないであろう。そして,区が回収することにより区が無主物先占するのであり,区以外の者が区条例に違反して持ち去って占有すれば,先占の方法は違法ではあるものの,やはり無主物先占の規定による私法上の効果は生じるものと解される。区条例の罰則条項は,区における古紙等のリサイクル事業の適正な運営を図る目的のため,一般廃棄物の集積所に置かれた古紙等を持ち去る行為に刑罰を科し,リサイクル事業運営を阻害する行為の防止を図るものではあるが,資源廃棄物の所有権の得喪自体について影響を与えるものではない。したがって,区条例の罰則条項は民法第 239 条第 1 項の無主物先占と何ら抵触するものではない。
リサイクル廃棄物の回収ってこういう問題もあるんだなと思うと深い話です。
できることなら、ごみを出される方とあいさつなどで良い関係を築きたいものですね。
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