いつもお世話になっております、沖縄の中古物件をリノベーションすることでワクワクを増やしたい、株式会社イエカリヤ代表の當間です。
不動産の内容を確認するにあたり、切っても切り離せないのが登記簿謄本です、正しく読み取ることができなければ思わぬところでつまずいてしまうので、ご注意ください。
今回お話する共同担保もその中の一つです。
複数の不動産をまとめて担保に入れる
以前、抵当権と根抵当権の違いや不動産投資の特徴でも触れましたが、不動産を購入するにあたって金融機関からの融資は非常に重要かつ頻繁に起こるものです。
基本的な所からお話しますと、日本の不動産は土地と建物が別の物です。
ちなみに、アメリカなどでは建物は土地の符合物とされているらしく、登記できるのは土地のみのようです。
つまり、購入したい物件が土地と建物で抵当権を入れるときは両方に抵当権設定の登記をしなければなりません。
しかし、土地と建物の価値が全く同じになることはほぼありません。
もし、3,000万円の融資を受けるとして、土地1000万円、建物2000万円の担保評価だとしたらどうでしょう?
原則通りそれぞれに抵当権を付けてしまうと貸し手側が不利になる場合があります。
今の状態だと所有者が建物を2000万円で売却した時に、借地が出来上がります。
個別で設定していると、返済さえされればもう片方の融資とは別物として扱うので、建物の売却を制限できません。
通常、借地は更地や土地建物の所有者が同一の場合に比べて評価が一気に下がってしまいますので、抵当権の設定者としては不利益を被る可能性があるんです。
それじゃあどうするの?ということで今回お話する共同担保の登場です。
土地1000万円、建物2000万円として抵当を入れるのではなく、「土地建物合わせて3000万円ですよ」という方法です。
その名の通り、「共同で担保に入れる」というわけです。
この方法ならばどちらか片方を売却することはできませんし、別々に登記するよりわかりやすいですね。
離れた場所に共同担保が入っている時は注意
先ほどの例であれば、残債額がわかればシンプルに売買ができます。
借入の残りが2000万円であればそれ以上で売れればいいわけです。
しかし、共同担保は2つ以上の不動産を入れることもありますし、離れた不動産を入れることもできます。
よくあるケースとしては、自宅以外に収益物件などを購入しようとしたときに、銀行から
「この物件だけでは担保価値が足りないので、別の担保(略して別担【べったん】か連帯保証人を入れてください。」
と言われることがあります。
この場合、自宅と収益物件は離れたところにあっても共同担保を入れることができます。
沖縄であれば軍用地は優秀な担保物件になったりします。
実際にあった話ですが、Aという土地と少し離れたBという土地があったとして、AとBに共同担保3000万円で抵当権が設定されているとします。
所有者がAを売ろうと思い不動産会社に相談し、1500万円で買主も決って契約まで終わり、いざ残金決済をしようと思った時に初めて銀行に連絡を取りました。
通常、宅建業者が間に入っていれば別の場所に入っている共同担保を確認した時点で銀行に問合せして段取りを組みます。
買主と知り合いということもあり不動産会社を通さず自分達だけで進めていたようです。
すると、銀行側から「Aは担保評価として2000万円で考えている、どうしても売りたいならBのみを担保にして1000万円しか融資できない」という風に言われました。
そうなると大変です、順調に進んでいた契約が一気になくなってしまいます。
登記簿謄本上では共同担保としての価格しか載っていないので、内訳がいくらかを正確に把握することはできないんですね。
今回のケースでは、共同担保の片方を売ろうとした時点で銀行に金額を言っておかなければなりませんでした。
その後どうなったかというと、別の不動産も所有しており、その物件を追加担保に入れることで難を逃れました。
今回のケースではたまたま別の共同担保を入れることができたので良かったですが、登記簿謄本の読み方を知らなかったばっかりに悲惨な結果になっていた所でした。
まとめ
- 複数の不動産をまとめて抵当にいれるのが共同担保
- 売却時は事前に銀行に連絡しておかないと、思わぬところでつまずく可能性があるので注意
売却をお考えの方はこちらのページをご覧ください。
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