いつもお世話になっております、沖縄で中古住宅扱う株式会社イエカリヤ代表の當間です。
不動産を見るときに切っても切り離せないのが方角ですね。
「日当たりのいい南向きがいい。」
とか
「日の出を感じたいので東向きがいい。」
など、部屋の向きによってメリットデメリットがあります。
意外?かもしれませんが沖縄には方角も方言があります、今では一般的に使われることはありませんが、地名や苗字などに名残が残っています。
●沖縄の方言で東西南北
東・・・あがり
西・・・いり
南・・・へー、ふぇー
北・・・にし
東と西はわかりやすいですね、太陽があがるのが東、日の入りするのが西なので納得です。
イリオモテヤマネコで有名な西表島(いりおもてじま)の西をなぜいりと読むかがわかりますね。
南はおそらく南風(はえ)から来ていると思います。
北に関しては、語源もよくわからないですし、まさかの「ニシ」ですからね。
何十年も前に方言がよく使われていた時は、県外の方が混乱していたと思います。
●東が付いた地名・苗字
東江(あがりえ)・・・「ひがしえ」でもなく「とうえ」でもなく「あがりえ」、県内企業に東江メガネさんがCMをやっているので、初めて耳にしたときはなんと言っているかわからないかもしれないですね。
地名としては、名護にある町名の一つです。
東浜(あがりはま)・・・沖縄の新興住宅地、海も近く土地の形もきれいなのでおススメです。
しかし、ある理由により東浜からの最寄ビーチが西原きらきらビーチという、いま自分がいるのが西なのか東なのかわからない事態になっています。
東村(ひがしそん)・・・沖縄本島北部にある、つつじ祭り・やんばる国立公園などで有名な東村はそのまま「ひがしそん」と読みます。
1923年に分村したそうなので、その頃には東=ひがしの文化になっていたのでしょうか?
●西が付く地名・苗字
西原町(にしはらちょう)・・・「いりはら」「いりばる」(沖縄では原をバルと読みます。)ではなく、「にしはら」です。
先ほどの地図をご覧になるとおわかりになると思いますが、西原町は沖縄本島の東側にあります。これが、さっきの西か東かわからない問題の原因になっています。
なぜ、東にあるのに西原なのか、西は方言「いり」と読むのに西原町は「にしはらちょう」と読むのか。
そうです、原因はあいつです。
北=ニシ
です。
もともと、「にしはら」は首里の北(ニシ)にある原という意味でニシハラと呼ばれていました。
ですので本来であれば「にしはらちょう」は「北原町」と書かれるのが意味としては通っています。
おそらくですけど、県外から来た人たちが「紛らわしすぎる」ということで「西」に合わせたんでしょうね。
ちなみに、うるま市西原は「いりばる」と読みます、なので沖縄では「にしはら」といえば西原町、「いりばる」といえばうるま市を指す言葉になります。わかりにくいですね。
●南が付く地名・苗字
僕が知らないだけかもしれませんが、南自体を「へー」や「ふぇー」と読む地名や苗字はあまりピンときません。
ですが、方言の元となった「南風」は使われていますね、南風原町(はえばるちょう)です。
昔は「ふぇーばる」と呼ばれていたので名残はありますね。
ただし、沖縄の方言は離島などでも少しずつ変わっています。
同じ南でも、八重山では「ハイ」、宮古では「パイ」と言います。
例えば、八重山では南十字星のことを南群星(はいむるぶし)と言います、南(はい)群(むる)星(ほし)ということですね。
ちゅらさんの舞台となった小浜島に同じ名前のホテルがあります。
他にも、観光客に人気の沖縄料理さん「ぱいかじ」も南からの風という意味です。
●北が付く地名・苗字
問題の北(ニシ)が付く地名ですが、意外とありません。
しいて言えば、波照間島のニシ浜は北=ニシという意味で名づけられたようです。
位置的には北西なので何とも言えない場所ですが、観光協会が言っているので間違いないでしょう。
かなり似ている名前で、宮古島に西の浜ビーチがありますが、こちらもほぼ北西に位置しています。
ただし、水納島にある西の浜は、ほぼ真西、もう何が何だかわかりませんね。
あとは、北谷(ちゃたん)もありますが、「きたたに→ちたたに→ちたたん→ちゃたん」のような変化になっているようなので、元は北(きた)から来ていますね。
やはり、北=ニシは間違えやすいのでかなり早い時期から北=きたに直されたんでしょうね。
ちなみに僕は北谷出身です、高校生になるくらいまで「北=ちゃ」「谷=たん」どちらも県外の方から見たら読めないということに気づいていませんでした。
サーフィンやダイビングができることで有名で、美浜のアメリカンビレッジは異国情緒あるれるので観光にも適しています。
中部地域ではかなりおススメの場所です。
●まとめ
・東(あがり)西(いり)南(へー、ふぇー)北(にし)
・北(にし)が厄介
・他にも面白い方言の知識があれば教えてください。