いつもお世話になっております、沖縄で中古不動産を扱う株式会社イエカリヤです。
不動産の登記簿謄本を見ていると、抵当権や根抵当権という言葉を目にします。
金融機関から借り入れをして不動産を担保にする事を抵当に入れるといいますが、「根」という言葉が入ると何が違うのでしょうか?
宅建の解説まで行くと長くなるので今回は概要を説明します。
●基本的には抵当権
まず、抵当権の方ですが、一つの借り入れにつき一つの抵当権が設定されます、一般の方が自宅を購入する時などはこちらになることが多いです。
万が一、この借入を返済できなくなった場合には、「担保にした不動産を競売で売り返済にあてる。」というのが抵当権の目的です。
金融機関側が貸し倒れのリスクを抑えるための制度ですね。
この抵当権はあくまで特定された借入があってこそ存在することができます。
なので、融資した借入を返済し終わると自動的に抵当権は消えてしまいます。
例えば1,000万円の融資に対して抵当権を設定して返済し終わった場合、抵当権は消えます。
そんな時に「リフォームを入れたいからまた融資したい、抵当権の設定はまだ消していないからそれ担保にできないか?」
という要望があったとしても、あくまで謄本に載っている抵当権の設定は以前に借入した融資に対しての物なので、新しい融資には使えません。
新たに融資をしたいのであれば、抵当権も新しく設定しなければいけなくなります。
通常、戸建てやマンションを購入して居住する分には抵当権で十分ですが、会社などになると借入と返済を繰り返し行うことが多いので、いちいち抵当権の設定と抹消を繰り替えすのは手間ですし、司法書士の先生に支払う金額もその都度かかるので大変です。
そんな時に使われるのが根抵当権です。
●不特定の融資に対して担保を入れる
先ほどの抵当権は特定された一つの借り入れに対して設定されていましたが、根抵当権は一定の範囲内の借り入れについて設定されます。
銀行取引や売買取引の範囲内といった、不特定の債権についての設定なので、返済し終わったからと言って根抵当権が消滅することはありません。
借り手としてはある程度の枠を確保しておいて、その枠内で借りたり返したりを繰り返すことができるので抵当権比べてすごく便利です。
この枠内で借入できる範囲の事を極度額といいます、金融機関にもよりますが極度額は限度いっぱいまで借りられるわけでなく、大体80%前後限度になります。
返済が滞った際、金融機関に担保される範囲は極度額が上限なので、極度額100%で貸して遅延損害金が出るとその遅延損害金は担保の範囲内からはみ出てしまいます。
ですので、少し余裕を持たせて融資するわけですね。
さらに、根抵当権は極度額でなく実際に借りている資金に対して金利がかかるので、極度額が多くて困ることはありません。
ある程度の額の根抵当権を持っておけば資金繰りが楽になるので会社としても非常に楽になります。
●まとめ
- 抵当権は特定の債権、根抵当は一定範囲内の不特定債権に対しての担保
- 根抵当権は繰り返し融資と返済ができるので便利