いつもお世話になっております、沖縄で中古不動産を扱う株式会社イエカリヤです。
以前、借地契約のするときに公正証書で結ばなければいけないかどうかのお話をしましたが、事業用定期借地の場合、勘違いしがちで注意しなければいけないことがあります。
●「事業」とはなにか?
普通借地契約であれば最低30年の契約になり、さらに地主が更新を拒絶しようとするときは正当事由が必要になります。
この正当事由というのがなかなか厄介で、総合的に判断されるので争いになる可能性が高くなるので非常に面倒です。
それに対して一般定期借地契約は、正当事由なく更新を拒絶できるのですが契約期間の最低年数が50年になるので、普通借地より期間の拘束が長くなる傾向あります。
期間を抑えて借地契約したい場合に出される案に事業用定期借地権があります、事業用定期借地権であれば最低10年の契約にでき正当事由も必要ないので、返還の見通しも立てやすいです。
しかし、気をつけなければならないのが「事業用」という部分です。
一般的に「投資用にアパートを建てる」際、「事業」として考えるはずですが、その状態で事業用定期借地を結んでしまうのはトラブルの元です。
●条文を見てみましょう
- 借地借家法
- 第23条
- 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
- 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第3条から第8条まで、第13条及び第18条の規定は、適用しない。
- 前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。
マーカーを引いたところに注目です、「居住の用に供するものを除く」という言葉が入っていることが確認できると思います。
つまり、一般的に使われる「事業」とは違い、店舗や事務所などのように人が住まないことが前提になっています。
事業として不動産を建てる=事業用定期借地契約が使える
ということではないので注意しましょう。
また、事業用定期借地契約は公正証書で契約しないと普通借地契約になる可能性があるので、そこも注意が必要です。
●まとめ
- 借地借家法の「事業」は、一般的な意味の事業とは異なる
- 人が住む建物には事業用定期借地は設定できない
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當間
沖縄の中古不動産市場を活性化させるために日々活動しています。少し変わった物件が好きな、株式会社イエカリヤ代表です。プロフィールはコチラ。