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宅建士試験において計算問題が苦手という方も多いのではないでしょうか?
中には計算問題と見ただけで飛ばしてしまう方もいるかもしれません、過去問題の中で難易度は高くないのに解答率が少ない、非常にもったいない問題があったので紹介いたします。
●平成21年問41
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が売主B(消費税課税事業者)からB所有の土地付建物の媒介の依頼を受け、買主Cとの間で売買契約を成立させた場合、AがBから受領できる報酬の上限額は、次のうちどれか。なお、土地付建物の代金は6,360万円(うち、土地代金は4,200万円)で、消費税額及び地方消費税額を含むものとする。
(出題された当時は消費税5%でしたが8%に直しています)
この問題は、計算問題のみなので選択肢は割愛します。
●おちついて考えよう
今回必要な知識は以下の通り
1.売買金額は消費税抜きの値段で計算
2.土地に消費税はかからない
3.売買金額400万円以上なら仲介手数料は、
売買金額×3%+6万円(仲介会社が課税業者なら、108%をかける)
以上の3つです。
一つずつ見ていけば大したことはありません。
●売買金額は消費税抜きの値段で計算
今回の前提として売主が消費税の課税業者となります、後ろの方でもわざわざ「消費税額及び地方消費税額を含むものとする。」と書いてあります。
ということは今回の6360万円から消費税分引いた金額が計算される元の金額になります。
では消費税は実際いくらなのでしょうか?
●土地に消費税はかからない
売買代金のうち4200万円は土地代となっています、土地は消費されるものではないので消費税はかかりません。
逆に建物には消費税がかかります、ということは
6360万円(消費税込み土地建物の値段)―4200万円(土地代)=2160万円(消費税込みの建物の値段)
税込みで2160万円ということは、消費税率8%なので税抜きの建物価格2000万円、消費税160万円になります。
なので、税抜きの土地建物価格は6200万円(6360万円―160万円)となります。
●(売買金額×3%+6万円)×108%
あとは当てはめるだけです。
(6200万円×3%+6万円)×108%
=(186万円+6万円)×108%
=192万円×108%
=207万3600円
よって仲介手数料の上限は207万3600円となります。
●まとめ
この問題、知識としては基本的なのですが、がっつり計算させるので飛ばした人が多いようで正答率が30%程度になっています。
一度落ち着いて解けば正答率は60%超える問題だと思うので、こういう問題を美味しくとれるようになれば、合格への道がぐっと近づきます。