いつもお世話になっております、沖縄で中古不動産を扱う株式会社イエカリヤ代表の當間です。
不動産の購入を検討している時にポータルサイトや不動産情報誌で調べたりしますが、当たり前のように載っている用語がわかりにくかったりしますよね。
そもそも読み方ですらあやうい「取引態様(とりひきたいよう)」についてこんなご質問がありました。
建築条件付きの土地ってなに?相場よりも安い理由とは~沖縄県中部で土地をお探しAさんのご質問~
でもお伝えしましたが不動産は同じもの、同じ金額でも条件によって違いが出てきますのでご注意ください。
●取引態様一覧
・売主
・専属
・専属選任
・一般
・仲介
・代理
ポータルサイトによって多少違いがあるかもしれませんが、この6つが表示されることが多いです。
売主の所だけ離れているのは、他の取引態様と比べて大きな違いがあるからです。
●売主
その名の通り、情報を載せている不動産会社が売主となって販売しています。
これ以外の取引態様では、物件を取り扱っている会社と売る人が別になるので、ある意味で取引態様「売主」は特殊な形態とも言えます。
取引態様「売主」のメリット
・仲介手数料がいらない
まず、不動産の売買時においてよく耳にする仲介手数料ですが、これは誰かの物件を紹介した時に発生します。
売主と直接やり取りをしているのであれば、もちろん仲介手数料が出ることはありません。
・瑕疵担保責任が2年付いてくる
次に瑕疵担保責任ですが、簡単に言うと購入時に物件に目に見えない瑕疵(かし)、白アリや土地にがれきが埋められていた等があった場合、売主が責任を負うことを言います。
売主が宅建業者の場合、業者以外に売るときは瑕疵担保責任を絶対に2年間は付けないといけないので購入者側としては大きなメリットになります。
詳しくはコチラ↓
・商談のペースが速い
よくある仲介物件だと売りが個人であることが多いので、値下げ交渉をしても一旦相談しないといけないため少し時間がかかることがあります。
売主が不動産会社であれば最初から「ここまでは値引きしてもいい」と決めていたりするので話が早かったりします。
取引態様「売主」のデメリット
・不動産会社に利益が含まれているから割高・・・だと警戒してしまう
当たり前と言えば当たり前ですが、不動産会社側が利益を得られる金額に設定されています。
ですが、元の売主さんが急ぎの案件などで買い取った金額自体が低いケースが多いです。
なので、売主が不動産会社=割高ということではないので、変に勘繰らず周りの物件と比較して自分にとっての価値で考えましょう。
●取引態様「売主とそれ以外」
先ほどもお話したように、取引態様「売主」というのは他の形態と比べて少し変わっています。
細かい説明の前に取引態様「売主」以外のメリット・デメリットをまとめます。
メリット
・売り手が利益を残さなくてもいいことが多い
売主側が個人の方になることがほとんどなので、「ローンの残債が残らなければいい」という方もいらっしゃいます。
もちろん、これは個人の自由ですが、利益を出すことを目的とした不動産会社より安い金額で出ることが多いです。
掘り出し物件的なものはコチラのケースがほとんどですね。
・物件数が多い
物件数に関しては、こちらの方が圧倒的に多いです。
『取引態様「売主」じゃないと嫌だ』となるとかなり幅が狭まってしまいます。
デメリット
・交渉のスピードが遅い
どうしても一度、不動産会社を挟むので少し交渉のペースは遅くなります。
また、売主側も不動産の売却が初めてな方も多いので価格交渉に入った時もどれくらいまで落としていいのか決めておらず、身内との相談で時間がかかったりします。
・仲介手数料が発生する
取引態様「売主」と比べるとどうしても仲介手数料が出てきてしまいます。
それでも、「手数料を取られるのが嫌。」という方もいらっしゃると思いますが、さっきの『取引態様「売主」の不動産会社に利益が乗っている』と同じく自分にとっての適正金額かだけを考えましょう。
ちなみに、ポータルサイトなどで表示されている価格は売買金額のみなので、仲介手数料をプラスして考えないと予想外の出費がかかってしまいます。
ほとんどの物件情報に追加で書かれていると思います。
・瑕疵担保責任が付かないor短いことが多い
取引態様「売主」のメリットの瑕疵担保責任ですが、個人間の契約では付かないか2~3か月ということが多いです。
これが一番のデメリットだと思います。
あくまで個人の方が多いというだけで、売主が不動産会社でほかの会社に依頼することもあるので、蓋を開けたら瑕疵担保責任が付いていてラッキーということもあり得ます。
おススメ順
全く同じ物件が並んでいた時にどこに問合せするかのおススメは以下の順です。
専属選任≒専属≒代理>一般>仲介
●専属、専任専属
売主が不動産会社に売却を依頼している形です。
専属の際、売主さんは一つの会社にだけに頼むことになるので、他社が売主さんと直接交渉することはできません。
専属に限ったことではないですが、売主側についている会社を元付け、買主側についている会社を客付けと言います。
他社が専属契約している場合、客付け会社(買い手側)は元付け会社(売り手側)に物件を紹介していいかという問合せをしてからの案内になります。
よく不動産会社の問題点として「囲い込み」という言葉を聞きますが、この時に元付け(売り手側)が仲介手数料を独り占めしたいがために客付け(買い手側)からの紹介を拒否することです。
「それなら専属契約なんてしない方が良くない?」と思われるかもしれませんが、報告義務やレインズ(不動産会社用の情報サイト)への登録義務があるのでメリットももちろんあります。
専属と専属選任の違いですが、「専属は売主が直接買主見つけてきてもOK」、「専属選任は売主が買主を見つけてきても不動産会社を通さないといけない」という違いなので、普通にポータルサイトや情報誌を見て探す分には購入者にとって差はあまりありません。
詳しくはコチラ
とはいえ、売主側からある程度の信頼がないと専属契約を締結することはできません。
取引態様「専属・専属専任」のメリット
・売主と不動産会社が直接繋がっているため比較交渉が早い
取引態様「売主」と比べると遅くなりますが、他の取引態様に比べると早い傾向にあります。
取引態様「専属・専属専任」のデメリット
・囲い込みをされる可能性がある
「信頼できる会社に間に入ってほしいのに、囲い込みをされてできない。」ということになる可能性があります。
「囲い込みをするような会社だけに任せたくない→囲い込みされているから他の会社が手を出せない」というジレンマに陥ることになります。
最近は宅建協会などが有志を募って囲い込み防止に動いているらしいですが、まだまだ根が深いところです。
●一般
専属・専属専任とは違い、不動産会社と売り主が直接つながってはいるものの、特に縛りのない契約なので信頼関係は薄め。
他の会社も直接売主さんから契約をいただくことができるので、同じ物件が複数並んでいる時はこの取引態様になっていることが多いです。
取引態様「一般」のメリット
・囲い込みが発生しない
専属・専属専任では売主さんが特定の会社を間に入れなければいけませんでしたが、一般の場合はそういったルールはありません。
なので買主側の不動産会社の紹介を断ったら、直接売主さんにアプローチをかけられても文句は言えません、ですので専属・専属専任に比べると囲い込みのリスクが少なくなります。
取引態様「一般」のデメリット
・交渉が比較的遅い
売主さんが一般にするときは複数の会社に依頼していることがほとんどです。
一社から買付の申し出があっても、他の会社から申し込みがないか確認したり。
「他の会社から少し値段を下げて買付があったんだけど。」
というと、
「ウチで満額で買付もらえそうなので、1週間待ってください。」
などの競争に巻き込まれる可能性もあります。
・最新情報を把握していないところも多い
専属・専属専任と違い複数の会社が絡んでおり、売主さんが連絡をこまめにしないことがあるため「購入希望を出したら既に売れていた。」ということもよくあります。
同じ物件が並んでいるのに金額が少し違う不動産があったらこのパターンです。
●仲介
今までと違い不動産会社と売主さんが直接つながっていないケース。
つまり、他の会社が専属などで出している会社を「ウチでもだしていいですか?」とお伺いを立てて掲載しているパターンです。
ただし、不動産会社でも「一般」と「仲介」の違いを意識していない所があるので、微妙な所ではあります。
取引態様「仲介」のメリット
・すみません、思いつきません。
しいていえば、元付け(売主側)の会社がレインズ(不動産会社しか見られないサイト)にしか登録していない時に、「仲介」会社が誰でも見られるポータルサイトに掲載することがメリットでしょうか。
取引態様「仲介」のデメリット
・交渉のスピードは最遅
購入希望者が値段や条件の交渉があった時に、
買主側の不動産会社→売主側の不動産会社→売主さん
という流れで話が伝わるので時間がかかりますし、伝言ゲームになってしまい意図が伝わらなかったりします。
・一般の時よりも情報が遅い
先ほどの一般の時はまだ売主さんと直で繋がっていましたが、今回それ以上に情報が入ってきません。
わざわざ売主さんと繋がっている会社が他の会社に最新情報を教えることはあまりないので、定期的に取引態様「仲介」の会社の方から確認作業を行う必要があるのでどうしても時間差ができてしまいます。
ですので、「一般」と「仲介」が並んでいたら「一般」の会社に問い合わせた方が良いと思います。
●代理
これは少し特殊なパターンで、数もそう多くはありません。
売主側が不動産会社に物件の売却に関する権利を持たせて任せる形になります。
例えば、「3000万円までだったら値下げしてもいいけど、不動産会社の判断で金額を決めてください。」
といったような感じです。
専属や一般などと違って不動産会社にある程度判断をゆだねることが大きな特徴です。
取引態様「代理」のメリット
・専属、専属専任よりも交渉が早い
多少の裁量権があるため、裁量内であれば取引態様「売主」とほとんど変わらないくらいのスピードになります。
しかし、裁量外の交渉になるとどうしても売主側とやり取りをしなければいけませんし、法律上では売買の決定権もありますが実務では売主さんに最終確認することがほとんどです。
取引態様「代理」のデメリット
・本当に代理人になっているかの確認が必要
これまでの場合と違って、売買契約や残金決済の日に売主さんが来ないということも十分あり得ます。
そこで問題になるのが「本当に代理として成り立っているのか。」です。
昔ならまだしも、今そんなことをする会社はいないと思いますが、念のために
・売主の身分証明書
・不動産売買に関する委任状(実印で押印)
・売主の印鑑証明書
くらいは確認しておいた方がいいと思います、そうしないと「代理人だと思ったら実は何の権限もない人だった。」なんてこともありえます。
●まとめ+α
少しボリュームが多くなってしまいましたが、意外と取引態様によって違いがあることがお分かりになったと思います。
同じ物件が出ていた時に、片方は「専属」、もう一方は「仲介」だった場合、「専属」の方が売主と直で繋がっているのでそちらに問合せした方が良いですよね。
・・・とここまで書いていきましたが、あくまで今まで書いてきたことは一般的なお話です。
上で書いたように全く同じ不動産で情報量も同じであれば「専任」に問合せします。
ですが、「専任」の方に写真などが全然載っていなくて、「仲介」の方が丁寧に掲載されていたらどうでしょう?
人それぞれだとは思いますが、「仲介」の会社を間に挟んで進めていった方が安心じゃないでしょうか?
どこに重きを置くかは個人によって違いますが、どの会社に問い合わせるかの目安になったら幸いです。
また、意外と知られていないですが、囲い込みなどが無ければ基本的にポータルサイトに載っているような物件は紹介可能です。
つまり、取引態様などを気にしなくても、信頼できる不動産会社が見つかればその会社経由で物件の案内が可能なので安心して取引を進めることができます。
取引態様「売主」の物件でなければ仲介手数料はどのみち発生するので、どうせなら信用できる会社に任せた方が気持ちも楽だと思います。
「沖縄で中古物件の購入を考えているけど何から始めたらいいかわからない。」
とお考えの方は
の記事がおススメです。
●売却専用ページにて、購入希望者一覧ページを公開中です。売却サイトをご覧になっている物件所有者様には、
「買う人がいるなら売ってもいいかな?」
くらいの気持ちで見ている方もいらっしゃいます。
もし、そういう方の不動産があなたの希望条件に一致していた場合、本来なら市場に出ないはずの物件情報が手入ります。
希望条件を記入していただければ、個人情報以外の内容を購入希望者一覧ページに掲載することができます、もちろん不要であれば載せません。
また、非公開物件の情報もいち早くご提供いたします、しつこい営業等は一切ございませんのでお気軽にお問い合わせください。
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